2013年6月7日金曜日

ロックウッド翁のギター

拙ブログでも何度かご紹介している、故ロバート・ジュニア・ロックウッド (Robert Lockwood Jr.)

母親が再婚した相手がかのロバート・ジョンソンだったため、「ロバート・ジョンソンの義理の息子」というとんでもない肩書きで呼ばれるが、ロックッド自身とロバート・ジョンソンは4〜5歳しか違わないらしい。

そんな尾ひれよりも、音楽的な素晴らしさの方が重要で、流れるようなソロ・ワークとジャズをも吸い込んだような華麗で巧みなコード・テクニックは「モダン・ブルースの父」と呼ばれるにふさわしい。

何がすごいって、「父」と呼ばれながら、彼に影響を受けたはずの後進の著名なブルースマンたちが亡くなってゆくなか、彼らを見届けるかのようにずっと現役でステージに立っていたのがスゴい。
今でも存命なのは、10歳年下のB.B.キングぐらいじゃないか?

そして、若いうちから抜群のテクニックを誇っていたはずなのに、年齢を重ねるごとにそのスタイルは進化&深化しつづけ、老いるほどにバカ巧ウマになっていったのが、またスゴい!

おと〜さんは、1985年に初めて彼を生で観たのだが、(当時)70歳とは思えぬ「山のような」威圧感と不機嫌さwに、サインをもらう膝が震えた覚えがある。
それからちょうど10年後、1995年の来日時は見違えるほど(?)丸くなっていて、晩年弾くことが多かった「12弦ギター」をやや疲れた表情で鳴らしていた。
「ぢぢいの出待ち」をしていて握手をせがんだときも、「オレより小さいんじゃないか?」と錯覚するほどで、外人にしては小さく丸く柔らかな掌だったので、10年前とのギャップに驚いた。
実はそのとき自分のギターを持って行きましてねぇ〜、サインを貰ったそのギターは家宝にして仕舞い込んでありまして・・・(閑話休題)

そんな翁も2006年に91歳で大往生をとげるのだが、そのプレイときらびやかな12弦ギターの音色はいつまでも我々の耳に残っている。

んで、翁は晩年、カスタムメイドの12弦ギターを愛用していた。
どちらかというと玄人好みでいぶし銀のような風格を持っていた翁にはやや似つかわしくない、ヘッドに「Blues」と大きく書かれて派手なカラーリングで見た目もゴージャスな一本だったが、主を失ったその「相棒」は、現在「ロックの殿堂」に納められているとか・・・

そのギターの紹介動画がこちら


英語が堪能な方なら「あれっ?」と思われるかもしれない。
確かに、二人の日本人ビルダーの名前が聴き取れるのだ!

在米の日系人か?と思って調べると、そうではない。生粋の日本人(という言い方は好きではないが)だった!

そして、そのHPを拝見して、さらに驚いた!!

翁のカスタムギターのゴージャスな見た目も「あ、もとからの仕様だったのね?」ということで、ブルースおたくのギター小僧には周知のことだったかもしれんが、このメーカーの "MOONY" ことおもて代表(人名だぞ!)の経歴が、またすごい・・・

むかしさんざお世話になった「フェルナンデス」が、Navigator、EDWARDS、GrassRoots、メタルキッズ御用達 Killer Guitarsとして有名な「ESP」が、そしてコンポーネント・ギターが憧れの的だった「MOONギターズ」が、すべてつながっていたとは(MOONYさんの、MOONだったわけだw)!!

楽器業界でいえばグヤトーン・ローランド(エース)とかを興した方々や、おと〜さんが敬愛するコーヒー界の巨匠、関口一郎氏のように戦後のドサクサを生き抜いてこられた方々に負けず劣らずのバイタリティに、ただただ感服するばかり。

また、この方のブログが、面白くてさ!
交友関係の広さというか登場する世界的なビッグネームに、驚きを通りこして笑えてくるwww

こういう方が「ブルースマンだ!」というスタンスを貫いているのが、また素晴らしい。

ところで、ビルダーのお名前がもうひと方聴き取れるのだが、ひょっとして、アコースティックギターギターで超有名な、「あの工房」の中の人じゃないですかね???

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