2013年6月12日水曜日

ブルースの「近未来形」を考える

ブルースという音楽が「生誕100年」を迎えてからはや10年が経つというが、んなもん所詮、白人の大作曲家先生が「たまたま」南部を旅行したとき、道端のロイク(アフロ・アメリカンの方々)の唄を聴いてブッたまげて、「なんじゃ、こりゃぁあ? ワシゃ、こんなん知らんかったぞぁ。スゴいぞ、スゴいぞ、ワシもこれからこれで商売するぞぃ!」と吹聴して廻ったのを、もったいぶって「発見」と称しているだけのこと。これをもって「ブルース生誕の年」とするなどおこがましい限りであり、まったくもって下衆の極みである。

コロンブスがアメリカを「発見」したというが、それだって言ってみれば「アンタが知らんかった」だけのこと。地元民の方からすれば「なにがぁ?」と言いたいことだろう。
1970年代に、喰えなくなって失踪同然だった戦前のカントリーブルース・シンガーたちが、白人の評論家やプロモーターに次々と「再発見」されるのだが、本人たちからすれば不本意なところもあろう。

とは言うものの、「そちら側」の体制に認識され組み込まれたからこそ、(極東の小さな島国の黄色い猿どもがいまだに入れ揚げるような)世界共通の普遍性を与えられた、というのも然りではあるが・・・
「再発見」されたカントリー・ブルースメンも同じこと。「ちゃんと食えるようになったんだから、まっいっか?」
それが、生きてく上でいちばん大切だし・・・

おっと、また話が逸れたw

で、19世紀後半頃に発生した(Wikipediaより引用w)とされるこの「ブルース」が、決して過去の遺物などではなく、この先の時代も「生き続ける」大衆音楽としての在り方を思い描いてみようという壮大なハナシであり、かつ冗長な前フリなのだが・・・

ここで今日の本題、「ボブ・ログ III世」という男を紹介しよう。


ヘッドセット・マイクを仕込んだフルフェイスのヘルメットを外さず、宇宙飛行士を思わせるラメラメのジャンプスーツを身にまとい、両手両足せわしなく演奏しつづけるワンマン・バンド

よく見ると、ヘルメットのシールドの口元部に取り付けられているのは黒電話の受話器だし、斬新なペイントのギターも実はチープなヴィンテージ・ギターだし、「新しいのか、古いのか」「カッコいいのか、イナタイのか」いまひとつよく分からないwww

ひとつ確かなことは、この男、サイコーにお下劣ド下品である!

タイトルは「I Want Your Shit on My Leg」邦題は「ス●トロマニア」

現時点での最新アルバムのタイトルも「My Shit Is Perfect (オイラのはカンペキ)」だし、上記動画のように「4つのパイオツと共演」を売りにする。

日夜ライブハウスのブルースセッションで腕を磨き、オリジナル盤の78回転のSPレコードを聴き漁っているようなコアなブルース・ファンの皆様、こ〜いうもんを「色モノ」とかで片付けることなかれ!!

エロ下世話鼻つまみもの、ガキが熱狂する最先端流行ダンスミュージック・・・

それが「ブルース」ってやつの、本来の姿だ!


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