2013年7月19日金曜日

うp主さまに感謝

いちど聴いてみたかった二村ふたむら ていいち定一盤『洒落男』を、どなたかがうpしてくださった。


二村定一氏は昭和初期を代表する歌手・ボードビリアンで、昭和5年録音のこの盤がこの唄の初吹込みだそうだ。

原曲はアメリカのフランク・クルーミットという人が1928年(昭和3年)に作曲し歌った「A Gay Caballero」。直訳すれば「陽気な(ゲイ、じゃないのよw)伊達男」ということらしいが、むしろ「脳天気な」と訳したほうがいいかもしれない。
リオ・デ・ジャネイロから大都会(どこだよ?)に出てきた田舎紳士がすったもんだのあげく、ほうほうのていで逃げ帰るという内容で、まことに本末転倒な言い方だが、訳詞のストーリーに忠実であるw

その印象深く軽妙な日本語訳詞を書かれた坂井 透氏は、実は日本のバンジョー奏者の草分けで、バックの演奏にも(ウクレレで?)加わっているとか・・・

以前から「藤山一郎氏とエノケン氏の同曲聴きくらべ」というのはYouTubeにあったのだが、これでやっと昭和を代表する3人の名歌手の聴きくらべが、できるってもんだ。


エノケン氏の良くも悪くもアクの強さと絶妙な演技力はさすがと思わせるが、二村定一氏のどことなくとぼけた軽妙さも、またいい。さらに、バックの演奏は文句無しにすばらしい!

そして、ちょっとこの曲は意外に思われるかもしれないが、藤山一郎氏の朗々とした歌唱も味わい深い。
実は藤山一郎氏は幼少時から英才教育で育った生粋の音楽家で、東京音楽学校(のちの東京藝大音楽学部)を首席で卒業した超エリート。本格的なクラシック歌手と流行歌手の二足のわらじを履いていたワケだが、当然演奏の腕も超一流。で、慶応普通部から東京音楽­学校予科在学中によく二村定一氏の「ピアノ伴奏」をされていたらしい。
早世した師匠に捧げるオマージュというところか。

また、エノケン氏と二村定一氏は浅草オペラ時代の同志でありライバル。
「エノケン一座」の前身は、もともと榎本&二村のダブル座長で旗揚げしたものだったという。

三者三つ巴(?)のそれぞれの間柄に思いをはせつつ、不朽の名曲をお楽しみください・・・


0 件のコメント:

コメントを投稿