開眼期
初めてのブルースバンド・・・というにはあまりにも贅沢?といえば贅沢。私をのぞくあとの二人は歴戦の強者。「右も左も判らんガキがあたふたするのを傍で見て酒の肴にしよう」的なコンセプトだった。ひでぇといえば、ひでぇwベースは全国的にも有名な地元で一番人気のバンドのオリジナルメンバー。ヴォーカル&ハープはいまは無きブルース専門のライヴハウスの箱バン(ハウスバンド)でならし、「近●房●介が一目おいていた(実話)」「Wxxping Hxxp ●尾が、前座時代の演奏を聴いてブッ飛んだ」などの逸話を持っていた。ドラムレスのシカゴブルースバンドという、いまだったらかなり面白い編成だったが。
勉強だと思ってBBキングやロバートジョンソンなど聴き込んで、スタジオで一所懸命弾くものの、メンバーからは「お前のギターはブルースじゃない、ロックだ!」「喰い足りねぇ!」とボロカスに言われる。
今だったら、よくわかる。コードが合っていていくらテクニカルであっても、「ブルースをブルースたらしめる」旋律性(フレーズ)とか常套句(パターン)が感じられないとブルースには聴こえない・・・たったそれだけのことだったのだが。
上の言い方は逆説的に見れば、ありふれたパターンに陥りがちな自己矛盾を孕んでいるとも言えるのだが、オリジナリティを出すにしても、知ったうえで崩していくことと知らずに滅茶苦茶やることは、まったく違うのだよ・・・と、今なら言えるwww
何をやっても八方ふさがり、凹みまくる。よくもまぁ挫折しなかったもんだwww
そんなとき、行きつけのレコード屋で一枚のレコードと出会う。
艶っぽいネェチャンのジャケット。スケベ心丸出しのいわゆる「ジャケ買い」というヤツだが、1曲目を聴いてブッ飛んだ!
「うわぁ〜、面白い!!!」
強烈にスイングするビッグ・バンドをバックに、流麗なギターが縦横無尽にかけめぐる。カッコいいし、スタイルもパターンもとても分かりやすい。あ〜、そうだったのか、こういうことだったんだ!
そのあとスタジオ入ったら、他のメンバーから「いったい何があったんだ?」「急にひと皮むけやがって!」と驚かれた。それ以来、ブルースを弾くのが楽しくなった。
そのころ(から)の、いちばんのお気に入り!
ちなみにバックは「ジ・エイシズ(The Aces)」だ。
ちなみにバックは「ジ・エイシズ(The Aces)」だ。
ちなみに、日本人がイメージするブルースというと、汗と脂にまみれて太い音で身をよじらせながら恍惚の表情を浮かべ「クゥイ〜〜〜ン」というのが典型的だと思うが、私はもっと軽くて(というと語弊があるかもしれないが)流れるような洗練されたスタイルが好み。
また、感情のおもむくままに弾きまくるのはそれはそれですごいと思うが、所詮その場限りの垂れ流しじゃん、との思いがどうしても先に立つ。できれば若干の予定調和であっても「起承転結」しっかりしたのがいいな、と思っている(自分でもなかなか出来ないんだけどね)。
(ちょっと寄り道しつつ、さらに続く)
「日本人がイメージするブルース」と同じように、「日本人がイメージするボサノヴァ」とか「日本人がイメージするフレンチ(ミュージック)」もある意味特殊な固定観念だと思う。時代によってそのイメージ自体が変わったりもするが、「日本人がイメージするジャズ」ってのも、似たり寄ったりだ。
返信削除それらは決して間違ってはいないのだが、すべてを網羅しているわけではない。そのくせこの国では主流というか典型的なイメージとして定着していて、その方が判りやすくて商売になったりする・・・