2015年11月30日月曜日

グレングールドのトルコ行進曲がスゴいらしい件

トルコ行進曲』といってもいくつかの曲があるのだが、やはりベートーヴェンモーツァルトの作品が有名だ。

とくにモーツァルトピアノソナタ第11番第3楽章は、誰もが「爆速」で演ることになっている。ポピュラーな名曲であるとともに、テクニカルなショーケースにもなっているのだ。
先日の近藤さんも、レコーディングではひとり二重奏の多重録音でやられているのをウクレレ1本の爆速バージョンで披露され、弾き手の緊張感が客席にもしっかり伝わり、そりゃあもう凄まじい演奏だったwww

ただし、トルコ行進曲はもともとオスマン・トルコの軍楽隊をイメージした曲だから、爆速で演る必然性はないはずだ。
・・・などと、とても弾けやしない素人がいくら力説しても説得力なかろうが、眼ぇつぶっても三倍速ぐらい平っちゃらで弾けそうな名人がこういう演奏をしたら、どうする???


これを初めて聴いたときの衝撃といったら!!

肩すかし、なんて生易しいもんじゃなかったのだが、なんと、目の前をオスマン帝国の軍隊が通り過ぎてゆくのだ。
いかにも勇壮な兵隊たちの大軍がしずしずと行進し、やがて向こうの方から王様が載った絢爛豪華な輿がやってくる。
伝令が前に後ろに慌ただしく駈け回り、さらに後方へと目をやると煌びやかに着飾った王妃が侍女たちに取り巻かれて従っている・・・
もちろん無知と時代錯誤の賜物に違いないのだが、そんなシーンが浮かんでくるのだ。

なるほど、確かにトルコ行進曲じゃわい!

と言いながら、日夜ウクレレで「チャラリラリ〜」と練習してるんだけどねwww

余談ながら、こういうご時世にどうかとも思うのだが、僕らがふだん当たり前のように享受している西洋文化・・・だと思っているものも、案外イスラム文化圏に由来しているものが多い。

コーヒーなんて起源からしてその最たるものだが、ヨーロッパ全土に広まったのは第二次ウィーン包囲で敗走したトルコ軍の置き土産がきっかけだと言われている。
また、みんなが当たり前に弾いているギターだって、極論ではあるが、源流をたどればイスラムの民族楽器だ。
西欧文明の起源であるはずのギリシャでさえ近代文化はオスマン帝国の支配による影響を色濃く受けていて、だからこそブズーキという特徴的な楽器が生まれた。まさかそれがアイルランドに渡って・・・

そう考えると、イスラムは僕らにとってまったくの「異文化」ではないはず。
まぁ、こうやって短絡的に論じてしまうこと自体「彼ら」の術中にハマっているわけなんだが、何かいい落としどころはないものか?

0 件のコメント:

コメントを投稿