2013年2月9日土曜日

巨匠からの:2

帰宅すると郵便受けに赤枠の便りが・・・

おぉ、もうそんな時季だった!


東京・銀座の自家焙煎珈琲店の老舗中の老舗「カフェ・ド・ランブル」さんからの「年賀状」。

形式ばかりの年賀に埋もれるのを避けて立春前後に挨拶を返すのは、いかにも店主の関口さんらしい「江戸っ子の粋」。
このお店に賀状を送らせていただくのも僭越の極みだが、毎年このような挨拶状を頂けるのは有難く光栄の至り。

その関口一郎氏が今年でなんと百歳を迎えられるとのこと。
こちらは最近では上京する機会もなくすっかりご無沙汰申し上げているのだが、手ずから焙煎機の前に立たれる機会さえ減っているものの焙き上がりのチェックは欠かさずされているはずで、まさに生涯現役!
さすがに同居人様と、「いちど御挨拶に伺わなきゃね」と話している。

珈琲に携わる者でランブル関口さんの名前を知らなければ、そいつはまず100%モグリだ。
銀座で60年以上にわたって自家焙煎ひとすじに業界を牽引してきた超草分け。

数多あまたの者たちが、あるいは心酔し自らを鼓舞して門を叩き教えを乞い、あるいはあえて異を唱えることで自らの道を探求している。
大いなる先達であれ超一流の反面教師であれ、後進に与えた影響は計り知れず、誰もが畏敬の念とともに平伏する以外はあるまい。

店の中ほどにある少々奥まった「定位置」にいらっしゃる関口氏に初めて声をかけさせていただいたとき、冗談抜きで膝が震えた。
業界に入りたてのころ読み耽った幾多のご著書にある独自の理論をご本人の口から拝聴すると、何ともいえない重みがあった。
その貴重な経験が当時の私のモチベーションであり、今でも宝物である。

ところで、関口さんが現在の私の年齢のころにやっと私が生まれていたことになる。嗚呼

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