2016年9月17日土曜日

コアラのオルゴール

物心ついたころから、実家にコアラのぬいぐるみがあった。
全体がカンガルーの毛皮(?)みたいなのでおおわれていて、両親の知人か誰かのオーストラリアみやげだったのだろうか。細かいことは一切覚えていない。

おへそ(ってどこだ、コアラの?)の辺りにゼンマイがあり、オルゴールの音が流れるようになっていた。俺はその音色がたいそう好きで、短い曲だったのだけれど飽きもせず繰り返し繰り返し聴き続けていた。
コアラだけに漠然と「オーストラリアの国歌かなんかかな〜」と思っていたのだが、何の曲かなんて大して考えもせず、ただひたすらそのオルゴールで遊んでいた。
とはいえ、ガキのやることだから扱いはぞんざいで、ゼンマイを無理やり逆回しにしてテンポを早めたり緩めたり。そんなことするもんだからムーブメントが壊れてしまったのか、毛皮がほころびて見るに耐えなくなったのか、知らないうちに棄てられてしまったようだ。

ずっと忘れていたのだけれど、ふと思い出して、そういえばあの曲って何だったんだろう???
妙に気になって調べてみたら・・・ええ、良い時代になりましたともさ。何でも出てくるのね、ようつべ


実家にあったあのぬいぐるみはもっと毛足が短かくて色も濃かったと思うのだが、鳴っている曲はまさに当時の記憶そのものだ。
曲名は「Waltzing Matilda」という、オーストラリアを代表する曲だそうだ。当たらずとも遠からずだったか?
マチルダちゃんがワルツを踊るのよ〜という安易な内容ではなく、「マチルダ」と名前を付けた毛布しか持ち物がない放浪者が大陸をさまよい歩く(Waltzing)という、ちょっと物悲しい物語を歌ったものであるそうな。

それにしても、この響きというかハーモナイジングは、ああ俺のルーツなんだと改めて思う。また、ことあるごとに「オルゴールみたいなウクレレを弾きたいんだ」と言っている俺の、明らかに原体験なのだろう。

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