だからといって、こんな古臭い「第九」貼られたら、面食らう人も多いだろうなぁ〜
「振ると面食らう(?)」との異名をとる、20世紀で最も偉大な名指揮者、巨匠ヴィルヘルム・フルトヴェングラーが、第二次大戦下のベルリンで「ヒトラーの誕生日」に演奏させられた、いわく付きの貴重なフィルム。例えようのない空気感と緊張感!
「反ナチス」の立場を貫きながらも、最後の最後までドイツに残って独り戦い抜いた巨匠。
ナチスは巨匠を内心では疎ましく思いながらも、対外的に「文化的伝統の擁護」という建前と、ネームバリューと影響力の大きさから、なかなか切る訳にいかなかったのだ。
微妙な緊張関係のなかで、巨匠も政治的セレモニーには事あるごとに体調不良を口実に逃げ回っていたのだが、ついに断り切れなくなって壇上に現れたのが、この映像。
戦後「ナチスに加担した」と、あらぬ疑いをかけられる巨匠だが(のちに無罪となる)、その反骨精神はこのフィルムのエンディングにも収められている。
演奏終了時「ナチス式敬礼(ハイル・ヒトラー)」が義務づけられていたのだが、巨匠はそれを拒否し、ふだん通り一礼しただけ。
「やばいっ!」と思ったゲッペルスが機転を利かせて即座にステージに駆け寄り、握手を求める。巨匠も握手に応じるのだが、一瞬のシーン転換の後、ハンカチをポケットに入れるのが、お分かりだろうか?
さも不快そうに、ゲッペルスが握った手をすぐさまハンカチで拭ったのだ・・・
やがてベルリン陥落寸前、さすがに身の危険を感じた巨匠は、ヴィーンでの演奏会終了直後にスイスへ脱出という、これだけでもひとつのドラマになるぐらいの離れ技をやってのけることになる。
それにしても、初めて巨匠の演奏にふれる方は、この終曲部の爆発力に度肝を抜かれるだろうなぁ〜
巨匠のスイス亡命に関する資料
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http://www.asahi-net.or.jp/~rd6y-tkb/Montreux002.html
http://tower.jp/item/2228741/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%80%8C%E6%83%85%E7%86%B1%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%80%8D%EF%BC%9C%E9%99%90%E5%AE%9A%E7%9B%A4%EF%BC%9E