2013年3月24日日曜日

ドラムソロつながり?

完全な「ドラムソロ」のアルバムというのは、ジャズのジャンルでも無いわけではないが、「教則本」的な意味合いが強かったり、ちょっと(というか、だいぶ)前衛的であったりする。

いっときソロ(独奏)のCDにご執心だったことがあって、最初は「ジャズくくり」でピアノソロやギターソロはありきたりだから、ベースソロとかサックスソロとか、まぁピアノと似てるけどシロフォンとかいろいろ買い漁った時期があった。
ただし、(毎度、微妙な表現だが)スタンダードなジャズのスタイルではネタに限界があって、やがては「フリージャズ」とか「現代音楽」といった領域まで訳も分からずかじることとなる。

そんなころに知ったこちらの女性。

後半のロールのニュアンスが、めちゃくちゃカッコいい!

彼女の名はイヴリン・グレニー。スコットランド生まれのパーカッショニスト。
あとになってから、かなり有名な演奏家だと知った。


こんな感じのパーカッションを使った現代音楽のアルバムを買ったのが最初だった。
オーケストラの面々が足踏みをしているのにお気づきか?
よく見る(聴く)と、客席までもが・・・

これは、彼女に「歓声」を伝えているのだ。なぜなら、彼女は聴覚をまったく失っている!

彼女がスネアドラムに向かうときは素足になり、スネアスタンドの1本の脚を自分の足の親指と人差し指の間ではさんでヴァイブレーションを得ている。足元のみならず、身体のいたるところの感覚で音楽を感じて演奏しているとのこと。

8才ごろ聞こえなくなって12才でまったく聞こえなくなったそうだが、音楽を志したのはそれからというから驚きだ。しかも、ただ「物を叩いて音を出す」だけでなく、マリンバ、シロフォンといった音階を奏でるパーカッションまで超絶技巧で完璧に演奏してしまうし、他のアーティストとのコラボも積極的にやってのける・・・

かつて日本のニュース番組(久米さんのだったか?)に出たことがあるのだが、実はそれを見てはじめてそのいきさつを知った。
その特集の最後にアナウンサーが締めた言葉が、「(彼女いわく)一番好きな楽器はスネアドラム。スネア一個あれば私はすべてを表現できる」

深い言葉だ。

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