修行してた店をおいとまして以来、自営するまで通い詰めてたお店。
自宅で手網で焙煎して毎日のように持ちこんでは、あ〜でもないこ〜でもないとご講評いただいてたし、こっちもそちらの今日の焙きの出来はどうだどうすべきだなどと好き勝手言ってた。
そこの常連だった知人から紹介されて初めてカウンタに座ったときマスターは静かに、だがハッキリした口調でこう言った。
どういうつもりでウチへ来るか知らんが、僕を師匠だと思ったらいかんよ。師匠を持った瞬間に弟子は師匠を超えられなくなる。こっちもまだ若かったので、「(技術を)盗むつもりもさらさらないし、教えてもらえるのを口開けて待ってる莫迦でないことぐらい自覚してます。ただ、現状として独り勉強させてもらってる身なので、自分の基準が独り善がりにならないよう拝見させていただきたいと思ってます」的なことを精一杯返した記憶がある。
どう受け入れてもらえたかはさておき、マスター以外でそこの焙煎機を廻したことがあるのはわしだけだし、開業してからも何かにつけ顔を出してた。
わしも現時点では業界を離れているわけだから敬愛の念をこめて、もう「師匠」と呼んで差し支えなかろうが、お互い何となくこそばゆいので「シショー」ぐらいに、しておくかwww
パート先が比較的近くなったのを機に、久しぶりに伺う。
以前は黙って座っただけでカップが5つ6つ(!)並んだもんだが、もうそんな時代じゃなかろうとちゃんと注文をする。
ところがシショー、わずかに首をひねり「今日はこっちの方が出来がいい」
「いいよもぅ、好きなの出しておくれよwww」と大人しく黙って呑んでいたら、知らない間にまた一つカップが・・・
シショーもわしも年は取ったが、味も店の雰囲気も含めて、あぁ変わらんなぁ懐かしいなぁとリフレッシュしたひとときだった。
テクニックとか知識を超えた次元で(?)、シショーの教えをまだ忘れていない・・・のかな?
0 件のコメント:
コメントを投稿