2019年1月16日水曜日

ウクレレのピックアップを買いか〜える、の巻

今回も【ま閲に覧あ注っ意く】かな?

ウクレレの音をステージで増幅するためにこういうピックアップを使ってるんだが、どうも今ひとつ使い勝手がよくない
音が「うるさすぎる」のと「硬すぎる」のが悩みの種で、しかもPAからのファンタム電源がないと作動しないため思い通りに音がいじれない
でもって、機動性を確保したいので、大仰な機材は避けたい
考えられる方策は2つ
  1. 電源供給を外付けにしてアンバランス(標準ジャック)に変換のうえ、コンパクトイコライザーにぶちこむ
  2. ファンタム供給できる小型ミキサーあるいはイコライザー付きプリアンプをかまして音色調整する
で、あれやこれや物色していた
外付けファンタム電源は乾電池で供給するものを自作すればいいんだが、このご時世、まともな部品を店頭に置いているパーツ屋が軒並み無くなってしまったため、部品調達が面倒だし・・・
すると、ミキサーやプリアンプ(しかも、廉価なもの笑)と同じぐらいの予算で買える、新しいピックアップを発見!
要は、乗り換えである

イタリア IK Multimedia社のiRig Acoustic Stageというやつ
主にiPhoneやiPad向けの音響機材を扱っている比較的新しいメーカーで、画像の三角形の部分のみ先に発売されており、アコギやウクレレの音をiPhoneに取り込めますよ、というものだったが、それにプリアンプをくっつけてステージでも使えるようにしたもの

この、トライアングル・ピックほどの大きさのピックアップが大活躍!
実際はこれ全体で音を拾うわけでなく、サウンドホールに引っかけるためのゴム製ホルダーになっている
ウクレレは表板が薄いためひと工夫必要だけど、音はなかなかナチュラルで、少なくとも今までのピックアップよりは御しやすそう。今月のビネヤで使うのが楽しみだなっと!

で、今週末なんですが、もう一度告知させていただきやす

2019年1月18日(金)
ザ・ヴィネヤード・カフェ
20:30〜 (予定)

2019年1月14日月曜日

飾り気なさの極致


舞台上にポツンと椅子がひとつだけ、なんて飾り気ないステージなんだ・・・
年末に観に行った第九の会場でもらったパンフに、そのときの指揮者である鈴木秀美センセがバロックチェロでバッハの「無伴奏チェロ組曲」を2回に分けて全曲演奏するとの告知が!
しかも、第一日目は私が好きな第1番・第3番・第5番の三曲
ここで知ったのも何かの縁、ぜひ行かねば!!

第九の会場から目と鼻の先の距離なのに、うって変わって300名ほどの小ぢんまりしたホール。もちろん完全生音で(クラシックでは、ほぼ当たり前。実はそうじゃないケースもあるんだが、おっと笑)
たまたま二階席だったのだが、一階の客席の物音すら手に取るように聴こえる響きの良さ

チェロはチェロでもバロックチェロ。古楽が好きでずっと聴いてきたが、実際に観るのは初めて
ふつうのチェロは本体から長いエンドピンが出ていて床に置くのだが、バロックチェロには、それがない。どうやって安定させるかというと、ひたすら両膝で挟みこむのだ。それだけでも大変そう笑

颯爽とした指揮ぶりを見せてくださったセンセが、今度はそんなバロックチェロと古いスタイルの弓を持って舞台に現れる
以前も書いたが、古楽の演奏者の方々は、あまりテンポを崩さず早めに淡々と演奏することが多い。緩急を大きく動かしたり抑揚をつけるのは、比較的新しい奏法だからだ
ところが、まるでモダンの演奏家のようなドラマチックな演奏だったもんだから、期待を裏切られた。もちろん、いい意味で!
そのわりに大袈裟なビブラートは抑えていて、やはりが古楽ルーツにあることは如実に感じられる
楽器やスタイルは古楽に準じていて、それをないがしろにするつもりも無かろうが、いまこの時代に演奏しているのだから、それにこだわりすぎても堅苦しくなるだけ。いったんとことん追求した人間だからこそ、それを突き抜けたところですべてをかなぐり捨てて自分の生き様をぶつけて勝負する。そんな演奏だった
ミスタッチやボウイングのノイズは見受けられたが、それもライヴの醍醐味。全身全霊を賭けた、素晴らしいステージだった

三曲弾き終わって何度目かのアンコールに出てこられたとき、「自分でいろいろ思うこともあり、体調もあるもんだから、弾くのはもうこれきりで辞めよう辞めようと思って毎回ステージに立つんだけど、弾くと納得いかないところが出てきて、やっぱりまた弾きたくなっちゃうんですよね」と、コメント
「あっ、今日もところどころヤバいとこあったけど、体調とは関係ないからね」会場爆笑
「アンコールであまり弾いちゃうと、次回弾くものが無くなっちゃうんで、予告編代わりに・・・」と第4番の「サラバンド」を
これがまたリラックスした、素敵な演奏でした

至福のひととき。ええ、次回も買いましたさ、早速・・・笑

2019年1月12日土曜日

どっちが主題かわからない

大ヒット中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観に、シネコンが入っている近所のショッピングモールへ行く
封切りからずっと行きたかったんだが、なんだかんだでこのタイミング
いやぁ、よく出来た映画でした!
実在したミュージシャンを題材にした映画というのは、往々にしてムムムなものが多い
ジミ・ヘンドリクスしかり、マイルズ・ディヴィスしかり・・・
ましてや大半が現存する人物なら、なおさらだ
だけど、主役のラミ・マレックは冒頭からフレディ・マーキュリーの雰囲気をすごくよく捉えていた
デビュー前後のロングヘアの出で立ちからして、「あ、フレディだ!」と判る
驚いたことに、他のメンバーもそっくりだ!
時系列が事実と違うとか脚色が多いとか言われたりもしているらしいが、そんなことは先刻承知だ
それでも許せちゃって感情移入できる映画って、スゴくないか?

観終わって余韻を楽しみつつも、生理現象には勝てぬ笑
ここのショッピングモールの洗面所は売場のBGMと違うのがかかっていて、たいがいはアコースティックギター独奏の環境音楽っぽいのが流れている
今日の曲は、これだった・・・


フランク・シナトラ御大の歌唱で超有名なこの曲。もともとはアクション映画の挿入曲で、インストだったらしいね

「あ、この曲って、こんなにいい曲だったんだ」と改めて認識すると同時に、アコギのスチール弦の音があまり好きでないのに、オルゴールっぽくていい音色だなぁ、と感じた
内緒だけどね、私が唯一アコギでいい音だな〜と思えるのは、GONTITIのチチ松村さんぐらいだ
ナイロン弦のウクレレに慣れてしまったからというのもあるが、元々ギターを弾いていた頃からアコースティックもナイロン弦の方が好きで、スチール弦ならエレキギターじゃないとイヤだったんだな
とはいえ、オルゴールだって鉄片をはじく音なわけだから、単なる好き嫌いだけかもしれん笑

ということで、今日のお題は「ボヘミアン・ラプソディ」なのかトイレで聴いた「夜のストレンジャー」なのか、あるいは弦のハナシなのか支離滅裂でございました

2019年1月5日土曜日

【ま閲に覧あ注っ意く】大海坊

・・・海坊主ではない。ただの変換ミスである

さて、お迎えしてしまった Martin Style-2 Uke (1910's) のレビューであるが、その前に、マーチンウクレレについて、ざっとおさらいしてみよう

現在でこそ楽器屋の店頭に新品でふつうに並んでいるC.F.マーチン社のウクレレだが、1970年代の終わりから2000年までは、一部のカスタムオーダーを除いて市場から姿を消していた*
最初に試作が行われたのが1907年というから、ウクレレという楽器が誕生してから間もなくのことだが、当初はギターを意識しすぎたかスプルース・トップでガチガチにブレーシングが施され、とてもウクレレと呼べる代物ではなかったらしい
ハワイアンコアが主流の本場ハワイ製に対して、マホガニー材を用いて本格的に生産に乗り出したのが1916年という**
本国でのハワイアンブームやティンパンアレー(いわゆるジャズ小唄)の流行に乗って1920〜30年代に黄金期を迎え、一時期はギターを凌ぐほどの需要があったようだが、その後のサーフミュージック・ロックンロールの台頭により出荷が激減。60年代後半より徐々に生産ラインから姿を消すに至るわけだ
黎明期のマーチンウクレレは試行錯誤が続いていたようで、度重なるマイナーチェンジがあるが、とくに生産が開始された1916年から1920年代にかけてのモデルは、それ以降とは大きく仕様が異なっている
加えて、クラフトマンシップが大いに発揮された時代の産物であるため、職人の胸先三寸的な個体差も見られ、量産品でありながら一種ハンドメイドのようなテイストを醸し出している
さらに、木材も今では到底入手困難な良質なものがごく当たり前に使われていた
まさに「佳き時代」の遺産と言えよう
*2000年に「S-O Uke (現在廃版)」として復活を遂げる以前に、トラベルギターの「バックパッカー・ウクレレ」が作られている。ともにメキシコ工場製
**後から上位機種として各々ハワイアンコアのモデルも作られている

それでは依頼品を見てみよう(違)

ヘッド・ロゴやサウンドホールのラベルは無く、刻印のみ
裏板にうっすら鉛筆書きで"1919"と読める気もするが
短絡的にそれが製造年だと言えるかどうか?

木製ペグは1926年までの仕様だが、このシンプルな形状はさらに初期型
右上はしげちよさんのペグ。こちらはエボニー製と言われることが多いが、
実は染色したメイプルのようだ。ともにヴァイオリンのペグを流用しているらしい

ナットとサドルは、おそらくボックスウッド材
さらに古い初年次型はサドルとブリッジが一体化したブロックになっている
1920年代に入ると、エボニーナット&サドルに変更される

継ぎ目の無いマホガニーのワンピースネック。握りは極薄のUシェイプ
指板は限りなく薄く、特徴的なバーフレット(I型)は減りも少ない

小振りなポジションマークが5・7フレット、そして9フレットに打たれている。まさに
1910年代製の証。指板はハカランダかどうかよく判らないが、エンド部の仕上げが見事


ボディはしげちよさんより5mmほど薄く、トップ&バックは継ぎ目なしの薄い一枚板だ
重さはなんと、驚異の250g!
多少のほころびは見受けられるものの、目立った補修個所は無し
オーバーラッカーも施されておらず、奇跡のオリジナルコンディション!

楽器屋のHPでは「"うぶ毛"のような」と表現されていたが、決して誇張ではない
私はつねづね「薄紙が震えるように鳴る」ウクレレが好きと言っているが、まさにそれを具現化したような一品
最初から極細のナイロン弦が張られていた。前オーナー、よ〜く分かっていらっしゃる
そんな弦でも腰の弱さを一切感じさせず、ほんの少し触っただけで即座にポーンと大きな音が出て、ボディやネックに快い振動が伝わる
これはさすがに未知の領域だった!弾くのにチカラが要らないんだ
しかも、その音色は大甘!中音域を強調しつつも張りを失わない
そして絶妙なリバーブ感・・・
こういうのを典型的なマーチン・サウンドと、言うのだろうな

はてさて「こいつぁ春から縁起がいいわぇ」なこの逸品!
お披露目を乞うご期待!!

2019年1月2日水曜日

どえらいお年玉

ショートコント「葛藤」(○天使と●悪魔)

●よぉ、今度は何買うんだぁ?
○なに言ってるんですか!?
これ以上買えるわけ
ないじゃないですか
●んなこと言ってて
ハミングバード
買ったじゃん?
○あれは仕方ないでしょ?
ず〜っと待ってたんだから
貴方だってよくご存知じゃないですか
●で?どうせ「次はカマカ?」
とか思ってるんだろ?
○いい加減にしてくださいよ!だいたい、
ただでさえ分不相応なアンティークが2本も
あるんだから充分過ぎでしょう?
●ハハ、お前、貧乏だしな
○私がそうなら、貴方もでしょ!
●じゃあお前、なんでまだ、
J-Guitarばっか見てんだよ?
○それは、後学のためというか
情報をアップデートしとこうと
●見えすいた言い訳じゃねぇか!
ほれ、これ、こういうのとか
指くわえて見てるんじゃ
ねぇのかよ?
○だからマーチンはやっと
手に入れたところで、しかも
それはウチのより上位機種でしょ?
●ほぉ、そっか・・・
で、この値段なんだ
○は?この流れで人かついで
どうなるんですか!
そんな価格なら、あったとしても
どうせジャンクでしょうに
●「状態:4+」、って?
○ぬぁぁにぃぃぃ?ちょっと待て!
おい、それ、どこの楽器屋だぁ?
●いや、そのぉ・・・
○ボヤボヤせんと、
HOLDだけでも
かけとかんかぃ、オラッ
●ちょ、あの、立場が逆じゃ・・・

教訓:頭に血が上った天使ほど手に負えないものはない