・・・と、題字を換えたほうがいいんじゃねぇか(by イナズマン)?
この時季になると届く「銀座の巨匠」からのお便り。
昨年末閉店された「南青山の巨匠」といい、こうして毎年お送り戴けるのが有難い限り。
年賀状の返信の代わりに立春の挨拶状で返すという、まさに江戸っ子の粋である。
このお便りを受け取って「あ、もうそんな季節なんだなぁ」と思うのが、我が家の恒例・・・
「立春とはいえまだまだ寒い日が続きますが」なんて使い古された誤謬がいまだに幅を利かせているが、季節の流れとともに炎を司るのを生業としていた元・焙煎師の身からすれば「〈光の春〉と〈気温の春〉はちゃうわぃ! 立春が暖かいワケがなかろう」と一喝したいところだ。
とはいえ、こんな若輩者しかも棒を折った身(2014年2月現在)では関口さんの業績そして人生には到底及ぶまい。
お元気に百歳を迎えられるだけでも超人的な偉業のはずなのに、「このまま余生を送ることは何となく残念」とサラッと言い切ってしまわれる、このスゴさ!
アタシなどが巨匠のことを多少なりとも論ずるのは僭越至極なのだが、自家焙煎業界において誰もが認める「先駆者」であり「辛口の論客」としても知られる関口さん。
氏の後塵を拝するあまたの者たちはみな関口さんに触発されてこの道を志したと言って過言ではないはずなのに、敢えて氏の「持論」に異を唱え、論破しようとすることで己の存在を誇示しようとした。
それも関口さんからすればいわば「追われる者」の宿命であるのだが、どのように好意的作為的に解釈したとて、いまだにそれに勝利あるいは成功を成し遂げ得た「後進」が一人たりともいない、というのがまたスゴい。
もう随分前の話になるが、一大決心して『カフェ・ド・ランブル』の門を叩き、奥まった「予約席」と書かれた定位置におられる関口さんに対面したとき「膝が笑う」というのを実感した。伝説のブルースマン「ロバート・ジョンソン」の義理の息子として知られたロバート・ジュニア・ロックウッドにサインを貰ったとき以来の震えだった。
その後、何度かお声をかけていただき珈琲談義を拝聴する僥倖に恵まれたとき、暗記するほど読み耽った専門書の「あの」持論をご本人の口から実際に伺うと、まるで円熟しきった歌舞伎役者のような「花」があるなぁとただただ圧倒され、至福の思いであった。
アタシのこれまでの生きざまを倍にしてもかなわねぇよなぁと思いつつよく考えれば、正確には関口さんとは48歳違うことになる。
・・・お互い寅年かよwww
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